副業する際の注意点

副業をしたい人が増えている

株式会社パーソル総合研究所が、正社員の男女3万4824人を対象にアンケートを実施したところ、副業を行っている正社員は9.3%でした。
若い世代に副業する人が多く、本業の年収が1500万円以上で副業をしている人の割合は18.8%、2000万円以上では33.5%となっています。

また、現在は副業をしていない正社員のうち、副業をしたいと考えている人は40.2%でした。
そのうち年収200~400万円未満では45.1%と年収が少ない人で副業をしたいと回答する人が多くなっています。
また、コロナ禍の影響を受け年収が減ってしまった正社員のうち、52%が副業を行いたいと回答しており、年収が変わらない人よりも高い割合になっています。

副業をする際の注意点

副業をしたいという人が増えていますが、副業をする際には注意点があります。
1つは、会社の就業規則で副業が禁じられていないかどうか確認することです。
法律上だと副業は禁止されていませんが、企業によっては就業規則の中で副業を禁止している場合があります。

裁判の例では、副業を禁止あるいは制限できるのは「労働提供上の支障がある」「業務上の秘密が漏洩する」「競業により自社の利益が損なわれる」「自社の名誉や信用を損なう行為、信頼関係を破壊する行為がある」などの場合です。
ですから、このような事柄に当てはまらないのであれば、会社に相談して副業が認められる場合もあります。

就業規則に副業を禁止する事項があるのに副業をして解雇された場合でも、上記のような点に抵触していないのであれば裁判に勝てる可能性があります。
ですが、大ごとにしたくないなら、まずは自分の会社の就業規則で副業が禁止されているかどうかを確認し、禁止されていなければ始めるのがいいでしょう。
就業規則で禁止されているが副業をしたい、でも副業を始めたいと言えるほど長く働いていないし実績もないという場合なら、副業を禁止してない企業に転職するという方法もあります。

副業を始めるに当たりもう1つ注意することは、会社員が副業をして年間20万円を超える所得がある場合には確定申告をしなければならないということです。
また、本業とは別の会社で働くなら、確定申告の際に源泉徴収が必要になるので忘れずに発行してもらうようにしましょう。

副業が他の会社で働くのではなく、クラウドソーシングや内職などの場合は、売り上げから経費を引いたものが所得になります。
ですから、売り上げが50万円でも経費に30万円かかれば、確定申告の必要はありません。
ただ、医療費控除や寄付金控除を受けたい場合、本業と副業を合算した所得が計算に関係してくるので副業の収入が20万円以下でも申告するようにしましょう。