「現金だけ貯金」はどうしてリスクと言われている?

現金での貯金は「円預金」という投資の形

安定した家計のやりくりや、将来のために備えるのには節約することと、貯金をしていくことがとても大事だと昔から教わってきました。
確かに、銀行口座にある程度のまとまった貯蓄があれば安心できますし、大きな突然の出費があっても対応できます。
とはいえ、現金で貯蓄をするということについて、広い視野で考えることはとても大切だと感じています。

というのも、貯金はあくまでも円で預金するという形の一つの投資手段に過ぎないと気付いたからです。
貯金が何か特別な手段というよりも、株式投資や為替投資、不動産運用といった他の投資と目的は同じで、同じカテゴリーに並べられるものなのです。
投資はどれも持っている資産を使って、現在の価値を最低限維持し、できるだけ価値を大きくしていくという目的で持ちます。
貯金も、本来であれば利子が付いて増えていくということを目的に持ちます。

現金だけで資産を持つリスクとは?

しかし、少なくても日本の現状では貯金をすることに、こうした意義はなくなっています。
超低金利時代となっていますので、実質的に銀行にお金を預けても資産が増えることはまずありません。
それどころか、預ける金額や入出金によって手数料が引かれてマイナスになってしまう状況となっています。
こうした点に加えて、現金保有は一定のリスクがあると感じています。

それは、インフレもしくは物価高です。
最近はほとんどすべてのジャンルで商品の値上がりが進んでいて、相対的に円の価値が下がっています。
また、為替という面で見ると円安ドル高傾向が続いていますので、やはり日本人が持つ現金の価値が下がっています。
つまり、貯金をしていると額面自体は同じなのですが、価値は下がってしまうリスクがあるのです。
そして今は、そのリスクが現実のものとなっています。

分散投資によってリスクを抑えられる

こうしたリスクを避けるためには、投資の基本である分散投資がとても大事かと実感しています。
分散投資というのは、投資先や手段を一つだけにせずに、いろいろな異なる形で資産を保有するということです。
たとえば同じ現金を持つにしても、円だけでなくドルやユーロ建てで分散します。
さらに貯金だけでなく株式や債権、金などで投資するということも大事です。

以前から少しずつ投資信託によって投資をしていたので、現金だけに頼らないリスク回避ができています。
また、NISAが使えるようになってから多少株式の購入も進めていました。
これからは現金の流動性が高くなっていることに改めて気付かされたので、さらに投資対象を拡大して、勉強しつつ複数の投資手段を使っていきたいと考えています。